第25回「日本胎盤臨床医学会」大会開催
──「美と健康とプラセンタ治療」をテーマに──
日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬 眞彦)主催の第25回学術大会が、2019年5月12日(午前9時30分〜午後4時40分)、東京都千代田区のソラシティカンファレンスセンターホールで開催された。大会実行委員長は渡邊 千春氏(医療法人 千春会 千春皮フ科クリニック理事長・院長)、同副委員長および総合司会は稗田 圭一郎氏(医療法人 五常会 鶴巻メンタルクリニック 院長)が務めた。 今大会のテーマには「美と健康のプラセンタ治療」が掲げられた。2020年に日本では女性の半数以上が50歳以上となり、超高齢化と少子化が同時に進行すると予想されている。しかし、寿命を延ばすだけでなく、いかにその生活を健康的なものにするか、また、年齢を重ねるにしたがって、内面および外面の健康、美を獲得するための働きかけが求められる。幸福な社会のベースとなる予防医療、体と心の健康長寿をめざし、歯科、内科、美容皮フ科、精神科、婦人科医師などの発表から、プラセンタ治療の実際に迫る大会となった。
午前は、2本の海外講演報告(ロシア講演報告、モンゴル講演報告)を皮切りに、さまざまな分野から5本の指定演題が発表された。午前中最後の指定演題5では、ロシアのエレナ・フェデンコ医師による「ロシアにおけるアトピー性皮膚炎へのラエンネック(プラセンタ)の臨床報告」があった。
午後は6・7本目の指定演題発表に続いて、NCI(米国国立がん研究所)主任研究員、小林久隆医師による招待講演「がんの近赤外線免疫療法」が行われた。がんの近赤外線(光)免疫療法は、がん細胞に結合する抗体に、近赤外光線の光で化学反応を起こす物質(IR700)を付け、注射で体内に入れると、抗体は血流に乗ってがん細胞に付着する。そこにランプや内視鏡で近赤外光線を当てると、物質(IR700)が熱を発してがんの細胞膜を破壊する。正常細胞に害を与えず、がん細胞だけを死滅させる選択性が極めて高い治療法である。講演では、がんの細胞膜が破壊される瞬間の動画が紹介され、会場全体が一瞬どよめいた。 そして、5名の症例報告者による症例研究ディスカッション「興味深い症例について」では、プラセンタの臨床におけるさまざまな問題について真摯な討論が行われた。 会場からの質問や意見も多く、さらにプラセンタへの関心が深まる大会となった。
〔講演の演題及び演者〕
〔海外講演報告1〕 | ロシア講演報告 医療法人 千春会 千春皮フ科クリニック理事長・院長 渡邊 千春 |
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〔海外講演報告2〕 |
モンゴル講演報告 |
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〔指定演題1〕 | 現在の歯科診療とプラセンタ 熊倉歯科 院長 熊倉 正和 |
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〔指定演題2〕 |
美と健康寿命とプラセンタ |
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〔指定演題3〕 |
骨盤底障害とGMS(genitourinary syndrome of menopause )の診断と管理 |
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〔指定演題4〕 |
在宅での看取りと美 |
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〔指定演題5〕 | Russian experience of Laennec in the case of Atopic Dermatitis Head of allergic and immune skin disease department Fedenko,Elena,M.D. |
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〔ランチョンセミナー1〕 | Well-Aging/経口型成長ホルモン分泌促進剤 PRSS.Japan株式会社 ジェネラルマネージャー 木村 英正 |
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〔ランチョンセミナー2〕 | 赤鹿の臍帯血から採取した成長因子を含む化粧品 医療法人 青泉会 今泉スキンクリニック 院長 今泉 明子 |
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〔指定演題6〕 | 老齢マウスの記憶における新規ブタ胎盤抽出物の影響 株式会社 日本生物製剤 研究所 研究所長 平野 栄一 |
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〔指定演題7〕 | 精神科における代替療法 当院での実践について 神楽坂ストレスクリニック 院長 上田 容子 |
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〔招待講演〕 | がんの近赤外線免疫療法 分子イメージングプログラム・米国国立がん研究所・米国国立衛生研究所 小林 久隆 |
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〔症例研究ディスカッション〕 | 興味深い症例について 司会 : 吉祥寺中医クリニック 院長 長瀬 眞彦 症例報告者(50音順) : 北西 剛 小早川 裕之 鄭 栄鳳 古田 一徳 増永 荘平 |